マンションは年収の何倍まで買える?
「5〜7倍」の根拠と東京の現実を解説
マンション購入を検討すると「年収の5〜7倍が目安」という話をよく聞きます。しかし、この数字の根拠は何なのか、東京ではこの基準は現実的なのか——本記事で詳しく解説します。
📐 「年収の5〜7倍」の根拠
この倍率は、住宅ローンの返済比率(年収に占める年間返済額の割合)を25〜35%に設定したときの逆算から来ています。
計算の仕組み(金利1%・35年返済の場合)
返済比率25%(安全):借入可能額 = 年収 × 約5.5倍
返済比率30%(標準):借入可能額 = 年収 × 約6.6倍
返済比率35%(上限):借入可能額 = 年収 × 約7.7倍
つまり「5〜7倍」は、返済比率25〜35%の範囲に対応した借入額の目安です。頭金がある場合は購入価格をその分上乗せできます。
🗺️ 年収別「適正購入価格」早見表
| 年収 | 安全圏 ×5.5倍 | 標準 ×6.6倍 | 上限 ×7.7倍 |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 2750万円 | 3300万円 | 3850万円 |
| 600万円 | 3300万円 | 3960万円 | 4620万円 |
| 700万円 | 3850万円 | 4620万円 | 5390万円 |
| 800万円 | 4400万円 | 5280万円 | 6160万円 |
| 1000万円 | 5500万円 | 6600万円 | 7700万円 |
| 1200万円 | 6600万円 | 7920万円 | 9240万円 |
※金利1%・35年返済・頭金ゼロでの試算。実際の金利・頭金によって変わります。
🏙️ 東京の現実:倍率だけでは買えない
上の早見表と東京の相場を比べると、深刻な乖離があります。
🏠 2025年の東京相場
- ・23区新築マンション 平均:約9,500万円〜1.2億円
- ・23区中古マンション 平均:約5,000万〜7,000万円
- ・郊外・神奈川・埼玉:約3,500万〜5,000万円
年収700万円の「安全圏(×5.5)」は3,850万円。しかし23区の中古マンションですら5,000万〜7,000万円が相場です。
現実的には「倍率を上げる」「頭金を増やす」「エリアを広げる」「中古を検討する」のいずれか、または組み合わせで対応することになります。
❌ 年収倍率だけで判断してはいけない理由
❌ 金利が違えば倍率の意味が変わる
「年収の7倍」でも金利0.4%(変動低金利)と金利2.0%では月返済額が大きく違います。倍率は金利前提によって意味が変わります。
❌ 管理費・修繕積立金が含まれていない
年収倍率はローン返済のみ。マンションでは管理費・修繕積立金(月2〜4万)が別途かかるため、実質負担はさらに高くなります。
❌ 家族構成・教育費・老後資金が考慮されていない
子どもの有無、教育費の計画、老後のための貯蓄——これらを加味すると、同じ年収でも安全な借入額は大きく変わります。
❌ 収入の安定性が反映されない
正社員・自営業・共働きなど、収入の安定性が異なれば適切な倍率も変わります。「年収が下がるリスク」を見込んだ設定が必要です。
✅ 正しい判断軸は「返済比率」
年収倍率はあくまで「ざっくりした目安」です。より正確な判断には返済比率(年収に占める年間返済額の割合)を使いましょう。
返済比率による判断基準
- ✅ 〜25%:安全。生活・貯蓄に余裕あり
- ⚠️ 25〜30%:標準。家計管理が必要
- 🔴 30〜35%:警戒。金利上昇・収入減に脆弱
- ❌ 35%超:危険。長期的に厳しくなる可能性大
購入を検討するときは、「年収の何倍か?」ではなく「返済比率は何%になるか?」で考えることをおすすめします。